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見えぬ星座   小黒世茂

  • 投稿日:2013年08月02日
  • カテゴリー:短歌

小黒短歌130802

見えぬ星座        小黒世茂

 

そのかみの入(いる)鹿(か)銅山けぶらせて杉森ほそき絹の雨ふる

イギリス兵の白き十字架まもり来し入鹿村あり奥熊野には

朝鮮人強制労働者を記したる河原石ならぶ 徒雲の下

花相撲せし草の名は次郎坊(じろばう)延胡索(えんごさく)とふジロボウエンゴ・・・

鎮魂のまつりをせむよ笹一本かつぎてのぼる裏玉置山

すそ野すでに胸突き八丁づるづると夏の落葉に退(すさ)りてゐたり

樹の細根にかくまはれたる泡虫を起こさぬやうに遠巻きにゆく

のぼりおりのつぴきならぬ夏草の斜りもやうやくかぎり見えたり

山の神しづもる磐より天頂の見えぬ星座に笹たてまつる

白石を敷きてきんぎん短冊を風にゆらせばここは銀漢

鈴の音と真昼の星の呼びあへばりりりり涼しき言葉生まれむ

わが言葉は峪にひびかふ鈴の音のごとくあれかし 七月深空

ゆるやかに地球はまはり土を這ふ蛙の見たる夏の夕焼け

作者紹介

  • 小黒世茂(おぐろ よも)

1948年和歌山生まれ。大阪在住。
歌集『隠国』『猿女』『雨たたす村落』『やつとこどつこ』『小黒世茂歌集』
エッセー集『熊野の森だより』
「玲瓏」所属

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