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かさぶた     堀合昇平

  • 投稿日:2013年11月01日
  • カテゴリー:短歌

堀合短歌131101

かさぶた     堀合昇平

原色のネオンに染まりゆく街で遠吠えの衝動をおさえつつ

駅に立つ父の背中に眠る子のぐにゃりと首を傾げたままで

試せども試せども不敵の笑みはうまく浮かばず 待ち人がくる

生垣の隙間にみえる裏庭に野ざらしで立つぶらさがり健康器

添えた手の熱のほどけてゆくまでを待つ苦瓜に刃をあてながら

思い出しわらいの末に泣き出して風音ばかり聴いていたひと

眠れずにきつく閉じれば明け方のまぶたのうらに何も映らず

脱衣所のうす暗がりに浮かんでは消える充電ランプのひかり

朝焼けに影淡くしてマンションの立体駐車場の支柱は

あかり取り窓に注げる冬の陽の静けさ そっとかさぶたを剥ぐ

作者紹介

  • 堀合昇平(ほりあい しょうへい)

1975年 神奈川県生まれ
2008年 未来短歌会入会、加藤治郎に師事
2011年 未来賞受賞
歌集『提案前夜』(書肆侃侃房2013)

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