突入     岸野亜紗子

  • 投稿日:2013年12月20日
  • カテゴリー:短歌

岸野短歌131219

突入     岸野亜紗子

柊の垣根に蔦は入りまじり築かれて来し家族のあまた

いきどほり揺れやまぬ木よわたくしの言葉届かぬその幹の洞

叶はねば切り離したり雷を孕みて雲はおほぞらをゆく

冬の日の畝ばかりなる地を歩み一神教にすこし近づく

方舟に乗りあはせたり荒れすさぶ海を己のなかにもそなへ

川下に向かひてひしがれたるままに草透けてをり光のなかに

文庫本にふたつ続けて載せてあり潘金蓮を殺すくだりを

経済のまへには無力なるものをわれの巌のひたひを洗ふ

生ごみを折込ちらしもて包む をはりにどんなことばはのこる

窓をなべて圧して朝のひかり満ち電車はけふへ突入をせり

作者紹介

  • 岸野亜紗子(きしの あさこ)

1978年生まれ。「朔日」[sai]所属。

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