河口   齋藤芳生

  • 投稿日:2017年01月07日
  • カテゴリー:短歌

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河口   齋藤芳生 (かりん)

なかなかに雪の降らねば恋しかりこぼす涙もたちまち乾く

餌台を守らんとする鵯の殺気、されども雀の必死

花鋏の刃の鈍色に抗える寒椿とう一本の意志

叱られて拗ねている子どものような侘助よ雪のふる庭の隅

念力も怪力もなく懐手して見ておれば椿落ちたり

隠しようもなきこころかな喩うれば新雪に今し落ちたる椿

君の手にわたくしの手をあずけたり雪ふりやまぬ河口さびしく

流木のような我らの前に降る雪である 向こう岸が見えない

風雪の一夜明ければ眩しくて河口に君の声のみを聴く

あっぱれな高さを飛翔する鳥を仰げば全き空に舞う雪

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