クエリー   北村早紀

  • 投稿日:2017年12月03日
  • カテゴリー:短歌

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クエリー   北村早紀

バン一羽すすめば水面をゆく跡の果てなく広がっていく二直線

脱獄というより自転車漕いでたら急に琵琶湖に出たような自由

バス代を浮かせるためにかっとばすペダル 気がついたらここにいた

部屋干しがこんなに楽しいことだとはひとりの暮らしに万国旗めく

ぬばたまの君の職場の先輩が君に幹事を押し付けている

君の暮らし私の暮らしが交わってそのとき讃え合えたらいいな

「ここにある大きいつづらと小さいつづらどっちもあなたのもの」って笑う

咎められずに工夫を重ねていけることが私の水であるのを知った

目玉焼きくずれたこともファルファッレちょうちょのパスタゆですぎたことも全部うれしい

嫌いより好きを力にすることを身につけられる予感がしてる

北村早紀
1994年京都生まれ。来年までは滋賀で暮らします。
星座・アンタレス欄と京大短歌などに所属しています。

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