伊勢へ 藤永貴之
退勤の夜々に遅れて夜々の月
蟷螂の斧を擡げて動かざる
蟷螂の黒き眼隅にありにけり
舟虫の影もてありく月夜かな
薄雲を脱いだる月の明さかな
磯風の荒々しくも新松子
色鳥の映りて飛べり五十鈴川
水澄みて御裳濯川の名ありけり
薄紅葉雨の木橋の匂ひけり
薄もみぢ御裳濯川に映りそめ
作者紹介
- 藤永貴之(ふじなが・たかゆき)
昭和49年、福岡県生まれ。慶応義塾大学俳句研究会を経て、現在「夏潮」「惜春」に所属。福岡市在住。
伊勢へ 藤永貴之
退勤の夜々に遅れて夜々の月
蟷螂の斧を擡げて動かざる
蟷螂の黒き眼隅にありにけり
舟虫の影もてありく月夜かな
薄雲を脱いだる月の明さかな
磯風の荒々しくも新松子
色鳥の映りて飛べり五十鈴川
水澄みて御裳濯川の名ありけり
薄紅葉雨の木橋の匂ひけり
薄もみぢ御裳濯川に映りそめ
昭和49年、福岡県生まれ。慶応義塾大学俳句研究会を経て、現在「夏潮」「惜春」に所属。福岡市在住。