第7回詩歌トライアスロン三詩型鼎立連載
わたしを覚めて 未補
立たされて夕闇を見る街頭のシアンを欠いた指示器の尾鰭
目を貯めて「澄み切ってる」と歌いだす国民性のレモンジュースは
ここが最上階とおくからみるとまたたく美術館も背骨も
月光はなりかけのポートレイトすべての窓は顔となりゆく
させて、サファイアの感度裏切っても一回性の周波数
さいしょだけちがう乳房のみぎひだりみぎからひかる茄子を捥いでも
七割で終わる感度で触れあって指紋ひとつにつき私語ひとつ
喩えても花になれないくらげ(暗がり)あなたなら吐息が似合う
きのうたくさんあえいだよ水だけで育つものだけ選んでいいよ
めぐる芽をむすばれてしまった息をさっき夢からわたしを覚めて