龍の落とし子   吉村毬子

龍の落とし子   吉村毬子

龍の落とし子薄氷の久遠なら

朧夜の山海渡る野犬らよ

春月へ釦失くした女達

垂れ富士甘噛みの鳶あづかりし

大仏の夢の辺りへ花眼の座

磨涯仏撫でゆく雪の宇宙劫

つらつら椿根の国を舐めてより

さねさしの嬥歌の畳語うそ寒し

観音の離見の湖の二月尽く

遠近の春の水音刻の音

作者紹介

  • 吉村毬子(よしむら・まりこ)

1990年より中村苑子に師事。「火曜会」「未定」を経て、「LOTUS」同人、現代俳句協会会員。

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「作品2012年3月23日号」の記事

  

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