星、いいえ 秋月 祐一

星、いいえ 秋月 祐一

星、いいえ詩歌が降つてくるやうな音のする夜 傘よおやすみ

夜、そして眠れず朝をむかへると 猫が布団に乗つてくること

猫、やがてぼくより先にゐなくなる小さないのち その鼻息の

息、しろく窓を曇らせ たはむれに書いた名前が滲んできえる

窓、だつた君は世界の窓だつた 遠のいてゆくきみもせかいも

君、がゐない世界を猫と生きてゆく 猫に葡萄を与へてはだめ

生、と死のどちらが真の世界なの 猫は思ふのだらうか死後を

死、ののちも葡萄は食べられるのかな 桃栗柿梨無花果などは

桃、がいいやうな気がする 天上のくだものだもの君と一緒に

天、の国だらうかここは? 君がゐて猫もいつしよで満天の星

タグ: ,

      

Leave a Reply



© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.

This blog is powered by Wordpress