人間★宇宙エレベーター   及川俊哉

人間★宇宙エレベーター   及川俊哉

自然の肚の中のただなかへ 私【たち】私をうまれなおして 私は私の膜【?】に包まれ
てまとわれて まといますか 戸惑いますか 膜【?】の中に自分【たち】が在る 膜【?】
の中に自分【たち】が在るので 私【たち】私を区別しない 区別できない 【ほんとう
はしたい】 ほんとうに こころから あなたがやりたいことは 何【?】 膜【?】で
はなく 膜【?】におうかがいをたててはだめ 膜【?】ではないあなたの ほんとうの
気持ちは【?】 【ほんとうは逃がしたい】 【ほんとうは話したい】 【ほんとうはあ
やしたい】 膜【?】聞こえますか 膜【?】に聞かれていますか 膜【?】煮られてい
ますか 膜【?】睨んでいますか 膜【?】は引き裂かれるためにあるのですか それも
なんだかお芝居のようね 膜【?】芝居ですか これは芝居ですか 【しばい、じゃ、な
い、よ……】 うまく演じてますか うまく生まれてますか うまく膜【?】演じてます
か 瞬く間に幕間に膜【?】仮面を被れてますか 外せてますか 肉付きの仮面ですか 演
技ですか 本気ですか 
 膜【?】生れなおして また 生れなおして それで 
 膜【?】生まれ変わって また 生まれ変わって そして
 膜【?】助けてよ 【助けてあげるよ】 膜【?】休ませてよ 【休ませてあげるよ】

 休ませてあげる

木立の傾斜を汗を拭きながら歩き、磐座を錆びた鎖にしがみつきながらよじ登る。
登り切ったとたんに空が晴れた。歓迎歓迎といったムード。神々しい太陽の光。
岩の裂け目に身をねじ込んで、蛹になったように息をひそめる。
岩に抱かれて、目をつむり、岩肌にもたれて、後頭部でゴリゴリと堅さを確かめる。
呼吸。
しだいに、岩と私の境目が溶けてくる。磐座の肚の中で、私は、溶けていく。
呼吸、背中でも呼吸。
岩の見ている風景が、岩の記憶がにじみ出て、脳内に滴る、少しずつ。
岩が眺めてきた、山肌、木々、★、半月、鳥、闇、霊の影。
突然の驟雨。
雷雨。横殴りの稲光。
思いを洗って、私、岩だから。

岩だから。岩の体だから。体への違和だから。いや、だから嫌だから。体空だから。殻だ
から。殻だから体割れるから。割れるから体変われるから。飼われた体から変われるから。
買われても買われても体変われるから。変われば変わるとき変われ。変われ。変われ!変
われ!
体、変われ!
割れた体からするするとケーブルが伸び、宇宙へ。
宇宙エレベーターを上下しながら衛星軌道へ。
天候に左右されずに太陽光を浴びる、私の薄い透明な膜。
宇宙に芽を出した双葉。
地上の放射性廃棄物を宇宙に捨てて、
宇宙で生まれた電力を地上へ。
それ以来私は宇宙から養分を得て自給自足なのです。
たとえコンクリートの中で事務仕事をしていても。
人々からの悪意はケーブルに運ばせて虚空に捨ててしまう。
宇宙から元気をもらって今日も溌溂です。
人類ではじめて膜を超えた者。
人間宇宙エレベーター。

厚い雲の隙間から
大瀑布のように流れ落ちる光
天使の広げた透明な金属の翼
わたしは小さな蟻のように
その光の翼にしがみついて
空へ、虚空へと、飛翔していく
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光の伽藍の中心に
さらに強く輝く白色光が揺らめいている
無数の鏡面の中に無数の光源が写り込み
互いに屈折する光を遷移させている
☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚
ふいにあたりに満ち満ちる閃光
深い傷えぐり飛び散る電光
連続する爆発の止まぬ光芒
影もあまさず煌めく散光
これぞ世の目覚め黄金の瑞光
☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚☆彡。.:・*゚
なつかしい原初の光の
あまやかで苛烈な光りみ
すべる、光の怒涛が、体内になだれ込み
全身の神経細胞を走査していく
全身に散らばった心的外傷の浄化
絡み合った糸がほどかれて消えていく

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光こそ光光りて光たれ光光れどなほ光りける
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将来の宇宙エレベーターの建設を待ちながらも、
各人が一人一人個人として生きながら意識の上では宇宙エレベーターとして自律すること、
その意識を持ちながら生きることが、今後大事になってくると、
こうした考えを改めて確認させていただきまして、
三本締めで締めさせていただきたいと思います。
それでは皆さん、お手を拝借。
いよーお
パパパン パパパン パパパンパン
よっ
パパパン パパパン パパパンパン
もう一丁
パパパン パパパン パパパンパン
ありがとうございました!

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