戦後川柳作家全般
【抱負】
昨年、『超新撰』に参加させていただいたことで、一つの自己目標のようなものができた。シンポジウムの資料で触れた、川柳史の縦線と横線の交わりを認識しなおすことである。自分たちの書いているカタチがどこから来たのかを知ることは、現在の川柳作品と向き合う大きな手がかりにもなる。六大家以降、近代史の枝葉が私たちのルーツとなっていく過程を探る必要性を持たずに作品を書いてきた柳人は多い。すでに拓かれた表現であったものに馴染んで書いているといえる。そうした多くの川柳作品に、時間軸という角度のアプローチ点を見つけたい。
この企画では、その検証上に川柳作品を提出できる喜びを感じている。時代の先端で書かれ、社会の変遷を生き抜いた言葉たちを読むことが、どのように現在の作句作業に活かされていくのか、そして、同じ線上で近代川柳史が語られるような、そういう場に少しでも繋がるものを求めていきたい。
時間を超えて、作品とその作者との邂逅を試みるのは、研究というより多くの感性との出会いのようなものだ。それはロマンに溢れている。川柳を書き始めて20年近く経ったが、どこまでも夢が続いていく詩型であるとあらためて思う。
執筆者紹介
- 清水かおり(しみず・かおり)
川柳木馬・バックストローク・Leaf 所属