第7回詩歌トライアスロン三詩型鼎立作品受賞連載 dipしたい 未補

第7回詩歌トライアスロン三詩型鼎立作品受賞連載

dipしたい            

未補

これ以上軽くなれない海にいて失くしてもいい骨を明かした

灯台のたもとの花はひたすらに目蓋のなかの釣り糸を待つ

ビー玉の音だけ舐めて空っぽのラムネを煽るなんども煽る

さざ波に飼われてなにも聞こえないruからはじまる愛のことばも

心臓つけっぱなしでライブハウス白抜きの極夜がdipしたいの

きみになる結末ならばくりかえし静脈を梳く墨塗の蝶

水を弾くフラミンゴ あと一指で温室が毀れてしまう

海をみたはずのきのうは窓だった、降る火を溺れてゆく蜩

かろうじて影だとわかる影を踏むわたしが鬼ではじまる九月

貝を踏むずっとむかしに死んでいる雪のなまえを声にひらいて

タグ:

      

Leave a Reply



© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.

This blog is powered by Wordpress