重力の冬
鈴木 牛後
漱石忌硝子の裡に人を飼ひ
有り丈の白息とほき人を呼ぶ
肉体に使はぬ部品冬籠
産土の果てへと寒い手を伸ばす
骨折りつつ肉喰ふや重力の冬
セーターを抱いて毛玉を分け合ひぬ
軋り音や蝶番とは冰る蝶
皮膚二枚隔てて君のゐる寒夜
共寝するまはりを雪が埋めてゆく
体軀(ルビ:からだ)とは睡りのための裘
プロフィール
1961年生まれ。「雪華」「アジール」同人。第64回角川俳句賞。句集『にれかめる』など。
重力の冬
鈴木 牛後
漱石忌硝子の裡に人を飼ひ
有り丈の白息とほき人を呼ぶ
肉体に使はぬ部品冬籠
産土の果てへと寒い手を伸ばす
骨折りつつ肉喰ふや重力の冬
セーターを抱いて毛玉を分け合ひぬ
軋り音や蝶番とは冰る蝶
皮膚二枚隔てて君のゐる寒夜
共寝するまはりを雪が埋めてゆく
体軀(ルビ:からだ)とは睡りのための裘
プロフィール
1961年生まれ。「雪華」「アジール」同人。第64回角川俳句賞。句集『にれかめる』など。
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