漂ふ軀 柴田千晶

  • 投稿日:2013年02月15日
  • カテゴリー:俳句

漂ふ軀 柴田千晶

水洟やバスの後部にフラガール

白菜のまぶしき日暮れ喪服着て

誰か身籠る雪の交雑試験林

白鳥となる白タイツ干されけり

春の雪漬物石にもある輪廻

白椿掃けば漂ふ軀かな

春霙豆電球で造る虫

白無垢の銀糸のごとき春の雨

金星★劇場解体春の霙かな

パチンコ店出でて二月の浮力かな

作者紹介

  • 柴田千晶(しばた ちあき)

1960年、横須賀生まれ。
1988年第5回現代詩ラ・メール新人賞、2008年詩集『セラフィタ氏』で第40回横浜詩人会賞受賞。句集『赤き毛皮』(金雀枝舎)、『超新撰21』(邑書林)。
詩誌「hotel 第2章」、俳句誌「街」同人。余白句会メンバー。

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