不惑の顎 松本 てふこ

不惑の顎
松本 てふこ

白粉花や墓誌にをんなは記されず
穴あきのお玉を干して野分あと
秋霖に不惑の顎の噛みあはせ
警備員木賊を行き来してをりぬ
ハロウィンやタバスコ振れば水つぽく
そば湯ほど濁るこころも一の酉
御降につつまれてゐる漁村かな
松の内砂浜に波ゆきわたり
冬帽子最中を買ひに行かねばと
寒食のコンロに味噌の汚れかな

プロフィール
松本てふこ(まつもとてふこ)
一九八一年生まれ。「童子」同人。句集『汗の果実』。

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