re:ligion   横山黒鍵

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re:ligion   横山黒鍵

バニリンが萌芽する窓辺の、その向こうにある風景の、少し焼け焦げた跡が、飽和する
テラりと地球の影に、迷い込んだ猫の、後ろ足に従う、わたしとあなた
子供は、わらい、その透明な、メガネの奥に、すっと、とけて
とけて、からりと鳴らした、とけかけの氷、濡れた指、なめてわらった
遠くの、緑がなつかしい、滑らした言葉と、満ち干きの波、ゆらめく、夏
ことばじりをとらえてくるりあきあかね
うまれるまで、しらなかった、うまれた痛みを、とばして
えんけいのたはたにゆれるいなほかな かな、とこくびを傾げて
爪のなかのつち、ひかりの種、こりこりとひっかいて冬の帳おりて
毛布にくるまるの、ゆあがりのしずくのまま、ほこほこ焼き芋の
アルミホイルに、描かれた褐色の地図を、
ひいて、たびだっていった、たびだっていったの
ほほえみは、ほほえむたびにほころんで
あたらしい針と糸に待ち人は、こず
バニリンをくちにただよわせて、伏せる、こぼれてシーツが、
そのひとを指し
にあわないね、 そうだね、
ほしの意味をしることの、たとえば
残酷という意味の反転、ネガにちりちりとひをはなつ
これからも、あるきつづけるひとの
ながぐつの音が、雪をふみしめ、かくしあじにしこんだナツメグが、ぴりりと
ゆうげまでにもかえってこない、メガネがくもって
こない雪がけっしょうのそばまでちぢんで
ふるゆきよふらぬゆきよとながれぼしとおくのまちでくしゃみするきみ
半分だけまわった、ころがした、つきのかたちをしっている
カーテンをしめる、まどだけはなち
つめたいね、を
すずしいね、にいいかえて
ふうふうとスープをすするのだ
それがあなたのまちのふうしゅうなんです
猫が、うちにかえる
そんなゆきの先を、みてるような
そんな

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