◾️詩歌トライアスロン連載(第六回)
コレクション 山川創
四角いフライパン、丸いフライパン
寸胴
ポスター、ピート・ベストの
空のワインボトル
長針と短針がむき出しの時計
ここに人の顔を並べるならばやはり
フライパンと(四角いフライパンを使うと四角いホットケーキが
できるんだったっけ?)フライパンの間がいいだろう
ぶら下げるより、台の上に置くほうがいいな
目に映るものは次第に溶けてゆきワインボトルに血が満たされる
そのときはもう旅行に行きたくなくなっているはずだ
壁一面に名刺が貼ってあるラーメン屋に
聖人はやってこないだろう
壁一面に切手を貼り付けて
家は少しずつ浮き上がる
来たるべき戦いのため蓄える 牛の心臓 人の心臓
清らかな心、そうだな私たち生まれる前から生きていたのに
お待たせしましたという声とともに壁に叩きつけられる頭