背にながす   村上鞆彦

背にながす   村上鞆彦

伐り口の先に枝なき冬青空

討入りの日のマフラーを背にながす

雪催小公園の蛇口漏る

浮鴎東京にまだ雪の来ず

じやんけんに負けし手が泣く空つ風

夕焼けを見し手袋を重ねおく

冬木の瘤父の拳はつひに知らず

クリスマス夕日いつとき畳を染め

忘年やキリンの貌に雲流れ

大粒の星またたかず去年今年

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