つま先歩き 干梅

つま先歩き                

干梅

白地図に血の滲む国春寒し

トースター耕す朝のパン祭り

歯磨きの小泡のごとく春惜しむ

地下鉄のにおいいつかの夏休み

秋の蚊を紙おしぼりでそっと包む

秋来たるタンザナイトの深い青

猛然とつま先歩き銀杏散る

敗軍の将は黙して秋の声

窓外に特大の虹母帰る

この国は声が届かぬ時鳥

干梅(ほしうめ)

1986年生まれ、東京都出身。出版社勤務。

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