第8回詩歌トライアスロン鼎立作品奨励賞連載 自画像   髙田 祥聖

第8回詩歌トライアスロン鼎立作品奨励賞連載

自画像                 

髙田 祥聖

探梅や口結ぶとき紅き紐

山眠る稜線は瞬かず

静脈を編み上げて闇田螺鳴く

眼球をまはせど音の鳴らず仕舞ひ

焼野てふ視野 心臓は此処此処よ

誰もが鏡を疑はずにゐる どうして

蜂かわゆし鏡の蜂を殺せずに

整へて眉の羽化する遅日かな

春ならひ口ではどうとでも言へる

使はねば閉づる目蓋も春の頁も

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