風よ 江渡華子
銃撃のごと全身に花火浴ぶ
さまざまなる煙さまざまなる秋思
稲妻や部屋に赤子の生まれたる
家一戸分の空き地に吾亦紅
葦の穂を撫でて撫で返されて風よ
蟷螂に影捧げたる家路かな
黄落や膝に寄り来る子の頭
妹も遺影も小望月へ向き
送火や瞬けば眉動きたる
老ゆるたび木犀咲かせたくなりぬ
作者紹介
- 江渡華子
一九八四年生まれ。青森県出身。「鷹」会員。句集に『光陰』
風よ 江渡華子
銃撃のごと全身に花火浴ぶ
さまざまなる煙さまざまなる秋思
稲妻や部屋に赤子の生まれたる
家一戸分の空き地に吾亦紅
葦の穂を撫でて撫で返されて風よ
蟷螂に影捧げたる家路かな
黄落や膝に寄り来る子の頭
妹も遺影も小望月へ向き
送火や瞬けば眉動きたる
老ゆるたび木犀咲かせたくなりぬ
一九八四年生まれ。青森県出身。「鷹」会員。句集に『光陰』