「詩客 SHIKAKU」の発足にあたって、俳句部門では作品の他、時評、「日めくり詩歌」の俳句篇、「戦後俳句を読む」の三つのメニューを用意しました。「戦後俳句を読む」については、とりまとめ役の筑紫磐井氏から説明があるでしょう。時評は週毎の更新で、山田耕司、松本てふこ、外山一機、冨田拓也の四氏が輪番で執筆します。これら中堅若手の気鋭の筆者の批評文が定期的に読めることに、まず私自身がわくわくしております。「日めくり詩歌」は、短歌、俳句、自由詩の輪番で、平日の毎日更新されます。俳句については、当面、高山が単独で執筆する予定です。要は作品鑑賞のページで、句合形式にすることと、作品の採録の範囲を原則一九八〇年代以降とすることにより、多少の新味を持たせたいと思っております。八〇年代以降というのは、戦後俳句の退潮以降ということになりましょうか。戦後俳句の終わりを見通した坪内稔典氏の「戦後俳句のゆくえ」が書かれたのが一九八一年であり、それから三十年間の俳句を回顧することになりますが、もとより大系的な論説というわけではありません。結果として、その間の風景の特徴のようなものが浮かび上がればよいと思っております。
執筆者紹介
高山れおな(たかやま・れおな)
1968年、茨城県日立市生まれ。20歳頃から俳句を作りはじめる。
1993年の第20号より俳句同人誌「豈」に参加し、こんにちに至る。
1998年、沖積舎より第一句集『ウルトラ』刊。同書により第4回スウェーデン賞受賞。
2005年、同じく沖積舎より第二句集『荒東雑詩』刊。同書により第11回加美俳句大賞受賞。
2008年から2年間、中村安伸と共に批評専門のブログ「俳句空間―豈weekly」を運営(100号で終了)。
また同ブログをきっかけに、筑紫磐井、対馬康子と共に『セレクション俳人プラス 新撰21』(2009年 邑書林)および『セレクション俳人プラス 超新撰21』(2010年 邑書林)を編集、刊行する。
2010年春より、朝日新聞の俳句時評を担当している。