『第4回こもろ・日盛俳句祭』が、平成24年7月27日(金)~29日(日)の3日間開かれた。会場は、小諸市民会館・コミュニティセンター・ベルウィンこもろを使って盛大に行われた。3日間にわたり午前の吟行会、午後の句会と講演会・シンポジウム、夜の懇親会が連日行われた。
句会には、藺草慶子、井越芳子、石田郷子、伊藤伊那男、今井聖、奥坂まや、櫂未知子、片山由美子、岸本尚毅、神野紗希、小島健、小林貴子、島田牙城、高柳克弘、筑紫磐井、 対馬康子、土肥あき子、仲寒蝉、永方裕子、西山睦、星野高士、本井英、山田真砂年、山西雅子ら多くの若手が参加した。
講演会・シンポジウムは次のとおりである。
◇記念講演 7月27日(金)星野 椿氏(「玉藻」主宰)
◇シンポジウム 7月28日(土):テーマ「私にとって季語とはパート2」
司会:本井英、パネラー:金丸努(日本気象協会)、片山由美子、櫂未知子、筑紫磐井
特に、シンポジウムに関しては日本気象協会が昨年以来提案している、24節気の見直しについて、協会の担当の方と、これを危惧している俳人による徹底した議論を期待したものであった。冒頭、気象協会からは次のような説明が行われた。
金丸努(日本気象協会本部管理部事業課長、宮崎大学工学部応用物理学科出身);
24節気の見直しは技術集団の素朴な質問から発したものである。このため、専門委員会を設け、専門家の意見を徴することとした。2011年3月から始まり、この間、アンケート調査、専門委員会の開催、メセナを開催したり、作業を続けた。予想しなかった反応もあり、協会のOBからお叱りの電話が来たりしたこともある。
6月には、第2回専門家会議を開催し今後の方針を一応まとめた。24節気は変えず、解説とか言い添える形で分かりやすくしたい。難しい24節気の言葉を今の言葉で言い表わしたいということだ。一方で、季節の言葉も公募したいと思う。
アンケートをして気づいたのだが、若い人たちの回答が少ないことが気になった、身近な気象の変化に気づくものにしたい。公募してもおしつけはしない。
これに対して、片山、櫂氏からは、公募を何故しなければいけないのか繰り返し質問があった。筑紫からは、むしろ公募よりは、気象協会が業務上収集している季節のことばを広く紹介してもらうことの方が俳人にとってもいい財産となると要請した。このほか会場から様々な意見が提出された。
今回、気象協会の担当の方と率直に話を交わすことができたのは収穫であった。当日、会場では24節気に関するアンケートが行われ、またシンポジウムに先立ってインターネットで行われたアンケートの結論も筑紫から紹介された。これらをまとめて気象協会には提供することとなるであろう。
その後、伺ったところでは、また8月にはメセナが開催される予定であるらしい。24節気問題もいよいよ大詰めに向かいつつあるようだ。
(文責:筑紫磐井)