川柳 天然水仕立てで祟られていました 中山 奈々

川柳 天然水仕立てで祟られていました
中山 奈々

一所懸命祟られるために生き
二番線ホームで今日も祟られる
嵩ばってしまう祟りでありました
文語定型の祟りが脇腹に
みんな祟るまで五分かかりました
新米なら祟りの石を一個入れ
宴もたけなわですが七代祟る
祟られていると布袋が腹を指す
祟られるほど塩分は摂っていない
たかしって呼んでもらって十年目
祟り目が半分占めるたこ焼き機
これからは祟り分刻みにします
あのときの祟られていた帰宅部です
祟られていましたハンカチーフから
居酒屋をずっと探している祟り
グラス交換制の祟り放題
コンディショナー少量分を祟られて
祟りなど祟りなど日直当番
離れられない奥二重の祟り目
あのさもう川柳なんて祟りだから

中山奈々(なかやま なな)
一九八六年、大阪生まれ。カフェインとアルコールの日々。

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