死語 ウィレム・M・ロッジマン(翻訳 マキ・スターフィールド)
詩は少し死語のように聞こえる。
それは言葉の囁きのようだが、
感じられても、いつも理解されるとは限らない。
奇妙な暗号の通信文のように、
海で手書きされて
詩は波のようにやって来る。
ジョン・メイスフィールドの亡霊はそれを見る。
彼は詩を書くために住処を探している。
そしてみんなが誤解したままではないのか、と震えている。
彼の本から死語が現われる
闇のなかでゆっくりと旋回しながら
ひとつずつ言葉が光のなかに落ちていく。
言葉の鮮やかな景色を見せる。
ウィレム・M・ロッジマン(Willem M. Roggeman)
ブリュッセル出身、フランドル(フランダース)の詩人。
「言葉の画家」と呼ばれている彼の詩に最も影響を与えたのは絵画である。
ロッジマンは、 フラマン語の新聞「Het Laatste Nieuws」(ブリュッセル)の記者兼美術評論家をしばらく務めた他、
1981年から1993年には、アムステルダムのブラッケ=グロン・フラマン文化センターのディレクターを務めた。
彼は詩、小説、戯曲、オランダの文学やフランダースの画家についてのエッセイを執筆しており、作品は多くの国で翻
訳されている。