かえるのうた 前島篤志


かえるのうた  前島篤志

海色をぬぐって路面電車乗る

カウボーイも牛もマッチの擦り方を忘れてしまった

軽トラの荷台の俺を月が追う

また夢にドライブインの火事愉し

水田にヘリの風紋刻まれり

太っちょころりころり火山のふたとなる

虚空蔵の掌に湯気の立つ宇宙卵

たましいの分だけかるくなる蛍

あまがえる誰の方舟にも乗らず

蓋閉じて想うはらいそ夏行李

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「作品 2011年7月22日号」の記事

  

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