月とペン   髙柳克弘


月とペン   髙柳克弘

外車から日本の人や滝飛沫

泳ぐ肉ぶつかり合へる他郷かな

サイダーや履歴書の我よそよそし

噴水をめぐりてかへす走者かな

もぢもぢと蝿ゐてマリア伏目なる

老人の匂ひの蚊帳を吊るしけり

草照らすキャンプのテント漏るる灯は

キャンプの火少年ジャンプ炎ゆるなり

夏帽を追ふとは風と競ふこと

月とペンそして一羽の鸚鵡あれば

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「作品 2011年9月9日号」の記事

  

One Response to “月とペン   髙柳克弘”


  1. 夏帽を追ふとは風と競ふこと   高柳克弘 : spica - 俳句ウェブマガジン -
    on 9月 13th, 2011
    @

    […] のかもしれないし、過去追っていたその場面を思い出したのかもしれない。句の分かりやすさと、作者という存在の曖昧さのギャップが面白い句だ。 詩客9月9日号「月とペン」より。 […]

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