あわわ 遠野真
名を知らぬ夜の魚がジャンプする鶴見川から鶴見川へと
春の汚れは春のうち、で憂いなくきみは笑顔の射線を避ける
数えたくなって夜中にぶちまけた硬貨に猫がまじってて 鳴く
婉曲でわからせようとするやつを無視して脳内の川遊び
美容師の荒れきった手が遠浅の海とおくゆくほど治る
ニート兼家庭教師が夏の午後100分かけて捨てるパラソル
わたしたちだったひとりは彼であり猫に煙を吹きかけている
ホラッチョの溜め息中のCO2 暗喩の一億のペットロス
あの、それは、いじめでしょうか? 違います。(はい。)[了解でっす] 夕焼け
投げあげた鍵が右手に戻るまであなたは左手を受け入れる