あわわ   遠野真

  • 投稿日:2016年07月02日
  • カテゴリー:短歌

0702

あわわ   遠野真

名を知らぬ夜の魚がジャンプする鶴見川から鶴見川へと

春の汚れは春のうち、で憂いなくきみは笑顔の射線を避ける

数えたくなって夜中にぶちまけた硬貨に猫がまじってて 鳴く

婉曲でわからせようとするやつを無視して脳内の川遊び

美容師の荒れきった手が遠浅の海とおくゆくほど治る

ニート兼家庭教師が夏の午後100分かけて捨てるパラソル

わたしたちだったひとりは彼であり猫に煙を吹きかけている

ホラッチョの溜め息中のCO2 暗喩の一億のペットロス

あの、それは、いじめでしょうか? 違います。(はい。)[了解でっす] 夕焼け

投げあげた鍵が右手に戻るまであなたは左手を受け入れる

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