俳句
再び仙台の関根かなさんの近況を。
「お世話になりありがとうございます。
5月は原稿が書けず申し訳ありませんでした。
仙台の街は、ことに市街地は震災の前の様子を
ずいぶん取り戻してきました。
今は、欅並木の緑がまぶしいです。
しかし、沿岸部の状況はいまだ荒涼としており、
俳句の仲間も疲れを訴えています。
でも、石巻での句会が三カ月ぶりに再開されることになり、
もろもろお手伝いをさせていただくことになりました。」
休みが続いてしまい申し訳ないが、7月以降から再開したいということでした(つくし)。
自由詩
今回いただいた各詩型の作品は、多かれ少なかれ原発事故の影が射している。
財部鳥子さんの詩は、原発事故で無人になった草野心平さんの故郷を描いている。現在とどう対峙するのか、素手で向かい合うような作品だ。
福田武人さん前回に続き、榎本作品を取り上げている。ここにも一つの現在の荒廃が広がる。
広瀬大志さんの文章を読むと、石原吉郎の作品がより深いところから現在を照らし出すのが分かる。
次号から月イチで福島で原発事故と対峙する、詩人伊武トーマの作品を連載する。現在のもっとも先端に立つ詩人の言葉を楽しんでもらいたい。(森川)
今回の福田拓也さんによる自由詩時評は、第3号の時評の続き。榎本櫻湖さんの作品の精緻な分析です。いわき出身の草野心平の詩を引用した財部鳥子さんの作品の美しさは詩でしかできない誠実さを教えられる思いがします。「戦後俳句を読む」では稲垣きくのの牡丹のうつりかわりに心奪われました。(イダヅカ)