水気の残る夜    鈴木一平


水気の残る夜    鈴木一平

寝返りを打って 
頬の 
毛穴に首まで浸かる 
このままで知らないふりもできた 
はずだったけど 
そういうの 
もう、終わりにしたいって 
明日の 
朝食のことを考えている 
 
白いのはたぶん骨じゃない 
腕の筋肉に着替え 
男装をして 
中指を強く入れてみた 
止まるところで 
止まり、笑った時みたいに 
聞いたことのない音を 
こぼれる皮膚や 
肉がめくれ 
風邪を引かないうちに 
息をするのも忘れてしまう 
 
泣いていると思ったけど 
虫の卵だった 
ものの頭が開き 
点滴に血が混じっていた 
これでどうにかすることにした 
自分のなら 
食べれば 
また、生えるから 
起きた時 
なんて思うか考えている

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