狩りの後 イダヅカマコト

狩りの後 イダヅカマコト

水面が砕いた光の響きが 
この池を教会に建てかえる 
水中で涙にかわるのは 
肺にたばさむ空気のひとつかみ 
何も捕らえなかった得物にもたれて 
ゆっくり吐いた息へ手繰った体が 
陸にいたときよりもひとまわり 
涙とともに大きくなった気がする 
浮びきったら私も溶ける、と 
予感の泡を抱えたまま 
帰りうる場所は手にしていた

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