サマー・ハウス そらし といろ

【7月19日掲載】自由詩 サマー・ハウス-1
【7月19日掲載】自由詩 サマー・ハウス-2

サマー・ハウス そらし といろ

 1
しっとり汗ばみ
ぬくむ、手のうちがわへ
舌をのばすアオスジアゲハ
閉じ合わさる翅に、眠れ
目じりにもまた舌をのばして
 
 2
ビタミン
ミネラル
ウォーター
荒れ果てた都市に処方しますね
 
 3
ラジオのチューニングを
やや乱して
渇いた肌へ電波のゆらぎ、なでさせる
 
 4
製氷皿から光を
ひかりの音を生ませる、朝の儀式
 
 5
光に歯をたてる、砕く、飲みこむ、うちがわから浄化したかったから
 
 6
エクストラに
ヴァージンな
オリーブオイルを鍋にひく
爪先立って
伸びをするお前が
いつまでも純正でありますように
 
 7
浅瀬にぬるむ海水、
から遠く離れ、た、床
の上で、泳いだ、あとの身体に
覆いかぶさる、ねむけ、はがせない
 

レモン メロン 
口移しで発音を練習しあった
夏期講習の休憩時間
 
 9
一日を通して、夜のあわいみたいな日
もう少し、溶けていようよ
 
 10
そして、製氷皿へ満たす、眠っている、ひかり

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