秘湯黄金郷温泉   魚野真美

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秘湯黄金郷温泉   魚野真美


何事も計画計画準備遂行作戦会議
守破離執着用意周到前線離脱朝礼挨拶
お天道様が黄金郷温泉にいきますと置き手紙
多分ご褒美旅行なんだろな
するといきなり北北東の方位方角から
んごんご鐘の音がなりお天道様が沈んでゆき
もくもくと妖しい湯気が立ち昇った

灼熱の地は眠り
せかいは真っ暗だ
僕らはそれから
踊り続けることだけが
唯一の存在理由で
唯一の残像行為で
何も見えない地上に
飛ぶ理由もない鳥達が
野原を歩く
脚が伸びる
みんな鳥目
みんなフラミンゴ
草葉に隠れて
踊り狂うよ
お天道様がいないうちに
お天道様が帰らぬうちに
身体をくの字に曲げて
ギャアギャアないた
ギャアギャアないた
ないても笑っても
何もないのだけれど
みんな今しかないと
身を捩らせてないたんだ
このまま
悲観するなら死んでしまえ
悲観するなら死んでしまえ
鳥頭を地中深く埋めこんで
僕らはようやく眠った

おーい
おはよう
まだかよう
ここにいるよう
秘湯黄金郷の朝は早い

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