割れる音だけする モリマサ公
結局ビリヤードにはいかなかった
じゃんけんはチョキからはじまる
落ちてくる寸前の雪がふたたび浮かび
アクセルを踏む
切断された今は何万キロも生まれ
首都高のゲートはひかり
ぐるなびをぐぐりイメージを提示
疾走する星がしんだり生きかえったり
きみが「雑誌のまえを通り過ぎて」用を足したり
誰も気付いていない瞬間惑星が公転し
わたしたちをのせたコンビニが遠ざかっていく
窓を10センチあけると風が吹き込んでくる
この画面をみつめている「さまざまな後ろ姿」に
すばやく提供されていく距離たち
「やばい今これこの状況カミッてるじゃん」
スーパーの袋をぶら下げて
「ちいさな運命」を握りしめた「感覚」だけがとおりぬけて
ゆびでかくれるくらいの白い月に飛行機がぶつかりそう
伸びていく影を踏み抜かないで
ぼくたちがフルフラットな戦場をはっきりと前進する
屋根のある床で毛布にくるまれたいらに眠る
ホームセンターのリノウムの床一面の血液を掃除しながら
誰も勃起したりしない不謹慎だからという理由で
おれたちジャパニーズをのせた国産車の前を行く
「白メットかぶった中学生のこぐ自転車」がはじいた
小石がフロントガラスにぶつかる
高架下にタグられたアルファベットのスペル
乾いたアスファルトの轍にハンドルをとられウィンカーをだす
うやむやに引き出した性器みたく
カギ穴からキーをゆっくり引き抜きながら
すべっていく数字をまたいで輪郭が明日をまたくりかえす
きみは「どんぐりがふみつぶされた」歩道を通過して
明滅するふるぼけた皮膚をばっさりと切り落とす
点滅する信号機でおれたちはすでに走り出す
どの光も噛み砕くたびに
痛みがあるということ
空には傷跡が
ないということ
さん
にい
いち