オブジェクトとしての影、他者としての傷、あまねく樹木が逆立ちしている    カニエ・ナハ

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オブジェクトとしての影、他者としての傷、あまねく樹木が逆立ちしている    カニエ・ナハ

世界が取り除かれたときに人に残るもの、目に入ったものをどうやって取り除
き、オブジェクトからあらゆる装飾を取り除き、あるいはあらゆる通常の会話
から抜け出すことができるか。私たち(オブジェクト)が人に近づき、空気を
見るときに、他者のように、私たちの後方に、私たちは装飾としてしかここに
はなく、その汚れとしての、影としての私たちを、人々が自らで運び、蓄える
陰翳が、個から個へ、人から人へ、隠されているその傷の傷口から、この世界
を去りたいと思ったとき、しかしなお深く残してしまうとき、この傷の、では
出口がどこにあるかを見つけようとして、光りながら追跡し、追跡しているも
のを照らし、目はそして現在に触れて、まるで私たちがここにいないかのよう
に、伝える、指から土まで、感覚を滅することで別の感覚を生み出すように、
指と土とが同時に存在しているように、逆向きに再生して見せることができる、
だれもに忘れ去られたときが、これまでで最も美しい優しさである、というよう
に。(19/12/2020)

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