詩を書く前に ディリープ・ジャヴェリ(翻訳 マキ・スターフィールド)
詩を書く前に
人は多くの言語を学ばなければいけない
分裂や不在を知るための
影と香りの言葉
無気力と飢餓を理解するための
錆びた車輪と鋭い矢の言語
屋根の穴の言語が
魅惑的な太陽光線による検索を語る
失われた壁の不気味な言語が
雨滴で湿った歌を覚えている
風は砂漠と海の言語を知り
砂と安定した調和を保つ
しかし、言葉の塵が
窓の割れ目に静かに広がり
風のない夜に砂だけは知っている
ぼくの足跡は暗闇のなか、言葉の塵を饒舌にさせる
沈黙に黙ったまま
きみを探している
そこにいるのか、詩よ!
ディリープ・ジャヴェリ(Dileep Jhaveri)
インド・グジャラートの詩人、劇作家、開業医。
グジャラート語の詩集Pandukavyo ane Itar(1989)、Khandit Kand ane Pachhi(2014)、
Kavita Vishe Kavita(2017)、戯曲Vyasochchvas(2003)。
作品は、英語、ヒンディー語、マラティ、マラヤーラム語、ベンガル語、韓国語、中国語、
アイルランド語、日本語などに翻訳されている。Museindia.comとKobita Reviewの編集委員を務める。