ハリボー     永井祐

  • 投稿日:2012年09月21日
  • カテゴリー:短歌

ハリボー     永井祐

ハリボーの袋がゴムでとめてある  そのまま椅子で君は寝ちゃった

座り方少しくずれて気持ち良くピンクのDSを見ているよ

髪の毛や瞳が黒い友達とブランケットにくるまって話す

二年間かけて一回お茶をするぐらい仲良くなれてよかった

スカイツリーと東京タワーをいっぺんに視界におさめて脳をなだめる

手を出して花を撫でてる男の子 あごの後ろをさわるみたいに

閉店したペットショップを見つめてる青年サラリーマン まだ見てる

待てばくる電車を並んで待っている かつおだしの匂いをかぎながら

話変えてんじゃねえよと携帯の向こうに思うとドアが開いた

今日の昼たまごサンドに入ってた殻を覚えているわたしたち

CDを受け入れようとパソコンがかさかさ揺れている夏休み

鉛筆で写すならマグカップよりティーバッグなるべく重そうに描け

パソコンをしている僕の目の前で君は旅行の支度をしてる

作者紹介

  • 永井祐

歌集『日本の中でたのしく暮らす』 http://www.bookpark.ne.jp/cm/utnh/detail.asp?select_id=61

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