ハリボー 永井祐
ハリボーの袋がゴムでとめてある そのまま椅子で君は寝ちゃった
座り方少しくずれて気持ち良くピンクのDSを見ているよ
髪の毛や瞳が黒い友達とブランケットにくるまって話す
二年間かけて一回お茶をするぐらい仲良くなれてよかった
スカイツリーと東京タワーをいっぺんに視界におさめて脳をなだめる
手を出して花を撫でてる男の子 あごの後ろをさわるみたいに
閉店したペットショップを見つめてる青年サラリーマン まだ見てる
待てばくる電車を並んで待っている かつおだしの匂いをかぎながら
話変えてんじゃねえよと携帯の向こうに思うとドアが開いた
今日の昼たまごサンドに入ってた殻を覚えているわたしたち
CDを受け入れようとパソコンがかさかさ揺れている夏休み
鉛筆で写すならマグカップよりティーバッグなるべく重そうに描け
パソコンをしている僕の目の前で君は旅行の支度をしてる
作者紹介
- 永井祐
歌集『日本の中でたのしく暮らす』 http://www.bookpark.ne.jp/cm/utnh/detail.asp?select_id=61