しづかな方へ   鈴木光影

  • 投稿日:2019年01月12日
  • カテゴリー:, 俳句

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しづかな方へ   鈴木光影

冬の朝まだ点いてゐる街路灯
北風や地下鉄ひらり乗り継ぎぬ
吊革に生の拳を並べ冬
鏡中に増えゆく十二月の美女
銀杏落葉翼のやうに展きたる
青空を黒と横切る枯木かな
自転車の刺さり絡まり合ひ凍つる
冬三日月屋台娘の手にタトゥー
モザイクの一片光りだす寒夜
大晦日しづかな方へ歩みけり

鈴木光影(すずき・みつかげ)
 1986年、秋田県生まれ。千葉県育ち。
 2017年、第4回俳人協会新鋭評論賞。
 所属「沖」「花林花」「コールサック」

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