蝸牛角上 堺谷真人
靴擦れを庇ふ半日漱石忌
煮凝りの夢を見てゐる琥珀かな
口だけを残し鮟鱇消えにけり
薄氷や踏めば傾く世に棲みて
捨印のやうな席あり梅真白
みほとけの胸薄くして花蘇枋
誰ひとり殺めずに老ゆ花は葉に
蛍袋ゆらして海を遠くする
大欠伸して炎天の駱駝かな
摩文仁まで這ふ兵ありき蝸牛も
堺谷真人(さかいたに まさと)
1963年、大阪生まれ。1987年より故・堀葦男に師事。
「豈」「一粒」同人。現代俳句協会会員。共著に『超新撰21』(邑書林)。
蝸牛角上 堺谷真人
靴擦れを庇ふ半日漱石忌
煮凝りの夢を見てゐる琥珀かな
口だけを残し鮟鱇消えにけり
薄氷や踏めば傾く世に棲みて
捨印のやうな席あり梅真白
みほとけの胸薄くして花蘇枋
誰ひとり殺めずに老ゆ花は葉に
蛍袋ゆらして海を遠くする
大欠伸して炎天の駱駝かな
摩文仁まで這ふ兵ありき蝸牛も
堺谷真人(さかいたに まさと)
1963年、大阪生まれ。1987年より故・堀葦男に師事。
「豈」「一粒」同人。現代俳句協会会員。共著に『超新撰21』(邑書林)。