露筵   姫草尚巳

  • 投稿日:2020年07月11日
  • カテゴリー:俳句

露筏

露筵   姫草尚巳

夏安居や山鎮座して露筵
卯の花腐し切らずの髪を掠めたり
母の日の肉腥く捨つべきや
母の日の無言をはつと謝れり
鵜篝のほつほつと止む川面かな
夏座敷人形ひとつ匣の中
甲虫脚抜け出して籠の蓋
昼酒や梅雨入の窓を下校の徒
ころころと綿の骸や蚊喰鳥
庭の夏翳ればからの池に佇つ

姫草 尚巳(ひめくさ・なおみ)
一九九八年生まれ。金沢大学人間社会学域人文学類在学中。「金沢大学俳句会」所属。
二〇一八年、第二回全国俳誌協会新人賞佳作。

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