日めくり詩歌 短歌 藤原龍一郎 (2011/7/14)

日本に来て日本の地震に揺れておりレンブラント自画像と犬

佐佐木幸綱「地震とレンブラント」 「短歌研究」五月号


 三月十一日午後二時四十六分、上野の国立西洋美術館の地下ホールでは、「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」展のオープニング・レセプションがおこなわれていた。佐佐木幸綱はそのレセプションに参加している時に、この大きな地震に遭遇した。オランダ大使館から、大使はじめたくさんのオランダ人の関係者が出席しており、生れて初めて体験する大きな振動に驚きの声をあげていたという。詠われているのは「東洋風の衣装をまとう自画像」という作品。ふんわりとした東洋風の衣装を身に付けたレンブラント自身の前にプードルと思われる犬が座っている構図の作品である。レセプション会場に飾られたこの絵の中のレンブラントと犬も、東洋の島国を襲ったマグニチュード9.0の大地震に揺れながら驚いていると作者は詠ったわけである。

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